最近のリマスター技術の飛躍的な進歩によって、古い演奏の良さが再評価される傾向にある。ワルターのブラームスもその一つであり、晩年のコロムビア響とのステレオ録音
ブラームス交響曲全集
よりも、剛毅、大胆なニューヨーク・フィルとのモノラル演奏
Brahms: The Symphonies
を評価する向きも多い。
1番と3番のカップリングだが、録音は3番(1953年12月21,23日)、[2番(12月28日)]、1番(12月30日)と一気呵成に行われた。1958年に心臓発作で倒れる以前、高齢なるもなおエネルギッシュなワルターの元気な姿を彷彿とさせる記録である。
それにしても、なんとも思い切りのよりブラームスであり、リズムの刻み方、メロディの明確なる彫琢、熱気あるオケの操舵とも実に魅力的である。このワルターの成果は、先行録音をよく研究していたカラヤン/ウイーン・フィルの両曲の名演
Legendary Decca Recordings
の下敷きになっているように感じた。交互に比較するのも一興。
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Classique-La Discotheque Ideale
での購入も一案