「紳士(ジェントルマン)」とは一体なにか?
職業なのか、それとも地位なのか?
エディンバラはイングランドにはない。(スコットランド)
紅茶を産しないのに何故紅茶がのまれるようになったのか?
パブリックスクールの歴史。
そしてコクニーとフーリガンなどについて…。
最初の導入部分は、少しやさしく(意図して?)ハードルを下げている。
イギリス社会の説明をしているのだが、やや退屈。
「イギリス方言の多様性」でコクニーの話になると、ちょっとハードルが上がる。
それでも「マイフェア・レディ」を引用しながら解説しているので、難解ではない。
言葉は著者の専門ではないらしいが、このあたりは面白い。
だから入れたのだろうけれど。
本当は、イギリスの身分の違いが他の国よりハッキリと言葉の違いに現れているが、
最近では地域に密着していた人びとが次第に動きだし、混じり合って言葉も下層階級の
言葉が市民権を得始めている…というような話が本論なのだろうと思う。
フーリガンとか社会的な話には結構、力が入っている。
新書だから、もうちょっとレベル高いままで最初から通して欲しかったか。
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イギリスの不思議と謎 (集英社新書) 新書 – 2012/6/15
金谷 展雄
(著)
最初の紳士は強盗殺人犯!?「ロンドン橋が落ちた」に隠された恐怖とは? 8つの奇妙な事実
一般にイギリスは礼儀としきたりを重んじる保守的な国と思われている。しかし、実際のイギリスは昔も今も伝統を守りながら、どんどん新奇なものを受け入れる国である。紳士を尊重する一方でフーリガンが存在したり、ミニスカート発祥の地であったり、茶樹がないのにアフタヌーン・ティーの習慣が根づくなど、さまざまな不思議を抱えているのだ。本書では、多くの人を惹きつけるイギリスという国の謎を解き明かす!
[著者情報]
金谷 展雄(かなたに のぶお)
一九四〇年大阪府生まれ。津田塾大学名誉教授。一九五九年、東京大学入学。教養学科にてイギリスの文化と社会を専攻。東京大学大学院修士課程修了後、津田塾大学教授などを経る。著書に『D・H・ロレンス論』(南雲堂)、訳書に『英国の紳士』(著者フィリップ・メイソン/晶文社)など。
一般にイギリスは礼儀としきたりを重んじる保守的な国と思われている。しかし、実際のイギリスは昔も今も伝統を守りながら、どんどん新奇なものを受け入れる国である。紳士を尊重する一方でフーリガンが存在したり、ミニスカート発祥の地であったり、茶樹がないのにアフタヌーン・ティーの習慣が根づくなど、さまざまな不思議を抱えているのだ。本書では、多くの人を惹きつけるイギリスという国の謎を解き明かす!
[著者情報]
金谷 展雄(かなたに のぶお)
一九四〇年大阪府生まれ。津田塾大学名誉教授。一九五九年、東京大学入学。教養学科にてイギリスの文化と社会を専攻。東京大学大学院修士課程修了後、津田塾大学教授などを経る。著書に『D・H・ロレンス論』(南雲堂)、訳書に『英国の紳士』(著者フィリップ・メイソン/晶文社)など。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2012/6/15
- ISBN-104087206467
- ISBN-13978-4087206463
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2012/6/15)
- 発売日 : 2012/6/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 192ページ
- ISBN-10 : 4087206467
- ISBN-13 : 978-4087206463
- Amazon 売れ筋ランキング: - 261,097位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 540位集英社新書
- - 3,494位海外旅行ガイド (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書で取上げている不思議と謎は、超自然的なものでもなければ、非日常的なものでもありません。一般的に英国は女王が君臨する保守的な紳士〈この言葉は本書で出てきます)の国と思われていますが、ビートルズ、ストーンズを始めとするロック・グループ発祥の地、また、ミニスカート発祥の地でもあり、最近ではフーリガンの問題もあり、革新的でもあり、アンビバレンツな魅力に富んだ国でもあります。
私達は一般的に英国と呼んでいますが、正式な名称は、the United Kingdom of Great Britain・・・とあるように4つの連合王国で英国は一王国に過ぎません。元々はケルト人が住んでいて、そこにゲルマン民族が移住してきた為4つの王国に分かれたわけです。そして、各国の対抗意識も相当強い(詳しくは、歴史書を見て下さい)。
英国民の象徴、紳士、元来この言葉は、高貴の生まれ或いは身分が高いという意味で、必ずしも人格者とう事ではなかったようです。従って、本書にも書かれているように最初の紳士は強盗殺人者ということもありうるわけです(この事は公文書に記載されているようです)。
私が最も面白く読ませてもらったのは、第4章のパブリック・スクールの項です。私達はパブリック・スクールというと非常にお金のかかる私立学校、例えばイートン校、等を思い浮かべますが、歴史的には、むしろ貧しい人々の学校だったそうです。例えば最初のパブリック・スクール、ウインチェスター・コレッジは、生徒は貧しいスカラー70人と、豊かなコモナー10人以下と規定されていたそうです。しかし時代が進むと経営が難しくなり、コモナーの数が増加していきました。しかも、驚くべき事に18世紀から19世紀にかけて、暴力教室が横行し(ビックリですね)、腹いせで生徒間には同性愛、女遊びが蔓延していたというのです。しかし、こんな状態を打破したのが、ラグビー校のトマス・アーノルドです。これ以降は、現在のパブリック・スクールに徐々に変わっていきます。
第5章、ナーサリー・ライム、マザーグースのことですが、内容はナンセンス、謎に満ち溢れています。A・クリスティーのそして誰もいなくなったは、マザーグースの1篇に基づいて書かれているのは有名です。
その他、方言、ブラディー・メアリーの事等興味深い話が満載です。
私達は一般的に英国と呼んでいますが、正式な名称は、the United Kingdom of Great Britain・・・とあるように4つの連合王国で英国は一王国に過ぎません。元々はケルト人が住んでいて、そこにゲルマン民族が移住してきた為4つの王国に分かれたわけです。そして、各国の対抗意識も相当強い(詳しくは、歴史書を見て下さい)。
英国民の象徴、紳士、元来この言葉は、高貴の生まれ或いは身分が高いという意味で、必ずしも人格者とう事ではなかったようです。従って、本書にも書かれているように最初の紳士は強盗殺人者ということもありうるわけです(この事は公文書に記載されているようです)。
私が最も面白く読ませてもらったのは、第4章のパブリック・スクールの項です。私達はパブリック・スクールというと非常にお金のかかる私立学校、例えばイートン校、等を思い浮かべますが、歴史的には、むしろ貧しい人々の学校だったそうです。例えば最初のパブリック・スクール、ウインチェスター・コレッジは、生徒は貧しいスカラー70人と、豊かなコモナー10人以下と規定されていたそうです。しかし時代が進むと経営が難しくなり、コモナーの数が増加していきました。しかも、驚くべき事に18世紀から19世紀にかけて、暴力教室が横行し(ビックリですね)、腹いせで生徒間には同性愛、女遊びが蔓延していたというのです。しかし、こんな状態を打破したのが、ラグビー校のトマス・アーノルドです。これ以降は、現在のパブリック・スクールに徐々に変わっていきます。
第5章、ナーサリー・ライム、マザーグースのことですが、内容はナンセンス、謎に満ち溢れています。A・クリスティーのそして誰もいなくなったは、マザーグースの1篇に基づいて書かれているのは有名です。
その他、方言、ブラディー・メアリーの事等興味深い話が満載です。
2018年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イギリスに駐在しながら子供の教育について思考を巡らせる過程で本書に辿り着いた。子供は所謂パブリックスクールで寮生活をしている。英国の教育は素晴らしいと思う一方、超高額な授業料を払える家庭にしか機会は与えられない。世界から裕福で優秀な知能が集まる国の高等教育が生まれた背景や、その行く末は何かと未だに疑問は尽きないながらも沢山のヒントを頂いた良書。JSミルの言葉は金融業界で仕事をする私の心にも響いた。子供には、利益至上主義であるより真の人生の豊かさとは何かを英国の教育の中から導き出せる人に育って欲しいと願う。何度か読み返すであろう良書。
2017年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
難しいくだりのないところはイギリスを熟知した著者なんだろうなと感心する。
読み流しながらも簡単に現在に至る経緯を軽く書いているため、まるで中学の教科書よりもすいすい読み進められる。
そもそもこうしたイギリスに限定した題材の著書を手にする人はイギリスに興味なり関心なりある人だろうし、教科書と違って自らのめり込む事が出来る。
ただ読んでるだけでも楽しいし、実はさらっと書きながらも読み手が深く考えながら読むと実は多くのヒントを読者に投げかけているところも楽しい。
おかげで罫線だらけになったけどねw
小難しい表現を多用して「私はこんな表現が出来るほど頭が良くて、偉いんだぞ」という論文めいた本を読みたい人にはおすすめしないな。
読み流しながらも簡単に現在に至る経緯を軽く書いているため、まるで中学の教科書よりもすいすい読み進められる。
そもそもこうしたイギリスに限定した題材の著書を手にする人はイギリスに興味なり関心なりある人だろうし、教科書と違って自らのめり込む事が出来る。
ただ読んでるだけでも楽しいし、実はさらっと書きながらも読み手が深く考えながら読むと実は多くのヒントを読者に投げかけているところも楽しい。
おかげで罫線だらけになったけどねw
小難しい表現を多用して「私はこんな表現が出来るほど頭が良くて、偉いんだぞ」という論文めいた本を読みたい人にはおすすめしないな。
2012年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は、イギリスをちょっと深く知りたいと思う人には格好の入門書だと思う。イギリスといえば、多くのひとが紳士の国、紅茶の国、サッカーの国(とくに荒っぽいファンが有名)というイメージを持っていると思うが、そうしたイメージがどうやってできたのかをわかりやすく解説してくれている。最初に紅茶が入ってきたころは、紅茶はカップを使用して飲まれず、今の感覚では思ってもみないことだが、ソーサーに移して紅茶を飲んでいたそうだ。このような、ちょっとしたヘェーっと思う情報が満載だ。
第1章に紳士、第3章に紅茶、そして、第8章にフーリガンを取り上げているが、その他の章でも実に幅広いテーマをとりあげている。それぞれの章が独立しているので、章のタイトルをみて、自分で興味を持ったところから読み進めることもできる構成になっている。章のタイトルは、例えば、「歴史に名を残す最初の紳士は強盗殺人犯?」(第1章)とか「カクテルに名をのこす女王はだれ?」(第6章)となっており、興味をひかれ、あっという間に読んでしまった。
第1章に紳士、第3章に紅茶、そして、第8章にフーリガンを取り上げているが、その他の章でも実に幅広いテーマをとりあげている。それぞれの章が独立しているので、章のタイトルをみて、自分で興味を持ったところから読み進めることもできる構成になっている。章のタイトルは、例えば、「歴史に名を残す最初の紳士は強盗殺人犯?」(第1章)とか「カクテルに名をのこす女王はだれ?」(第6章)となっており、興味をひかれ、あっという間に読んでしまった。
2016年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英国に暮らしてブリクジット含めた現代英国の社会的背景を良く解説している。
2017年2月26日に日本でレビュー済み
著者はイギリス文化の研究者。
本書は、イギリスとイギリス人を理解するための入門書で、紳士とは何か、イングランドとスコットランドの違い、パブリックスクール、ナーサリーライム、方言の多様性、フーリガンなど8つのテーマから説明されている。
いずれもわかりやすくおもしろい。
ある程度、イギリスを知ったひとには物足りない部分もあるかも。
あまり「不思議と謎」という感じではないような……。
本書は、イギリスとイギリス人を理解するための入門書で、紳士とは何か、イングランドとスコットランドの違い、パブリックスクール、ナーサリーライム、方言の多様性、フーリガンなど8つのテーマから説明されている。
いずれもわかりやすくおもしろい。
ある程度、イギリスを知ったひとには物足りない部分もあるかも。
あまり「不思議と謎」という感じではないような……。
2012年7月22日に日本でレビュー済み
折しもオリンピックで話題になっているイギリス。歴史には学生時代以来、ご縁がなかったが、将来イギリスをゆっくり旅したいと思っているし、今話題の国なので読んでみた。新書なので敷居が高いかと思ったら、キャッチィな章のタイトルにたがわず、親しみやすい話題から入り、わかりやすい文章で書かれていて、挫折することなく読みきれた。特に、紅茶の木はイギリスに一本もなかったこと、イギリス紳士やパブリックスクールの現在のイメージともともとの成り立ちとのギャップについて、そして子守唄についての章が興味深く読むことができた。マイ・フェア・レディから始まった方言の章が、私には一番専門的で難しく感じた。部活三昧で普段本を読まない高校生の息子に勧めてみようかと思う。